今回はエクソンモービル(NYSE: XOM)を分析します。

概要
かつて時価総額が世界一位だった大企業です。今回業績を見て思いましたが、近年低迷しているとは言え、やはり巨大な企業です。これまで分析したMOやSBUXとはゼロの数が一つ違いました。
XOMは世界各地で原油・ガスの採掘を行っています。『石油の帝国』はおすすめです。エクソンのスケールの大きさが実感できます。ちなみに、最後にBPがちょっと出てきます:)
石油製品の製造と販売を行うダウンストリーム事業も持つオイルメジャーです。

競合はシェブロン(CVX)、BP(BP)、ロイヤル・ダッチ・シェル(RDSA/RDSB)といった他のオイルメジャーですが、最近はBP、RDS等の欧州オイルメジャーは再生可能エネルギーにかじを切り始めており、米国/欧州で戦略が分かれています。

売上/利益
XOM_revenue
基本的に原油価格と連動しています。
2014以降は、シェール革命に伴う原油価格下落の影響を受け、売り上げが低迷しています。

EPS
XOM_eps
せめて2017-2018年の水準まで戻り、PERが12倍ぐらいになれば、株価も50~60ドルぐらいまで上がるのですが……


自社株買い
XOM_shares outsdanting
2014年ぐらいまでのXOMは原油高で絶好調だったので、ガンガン自社株買いをしていました。
今はそれどころではありません。

配当
XOM_dividend
2010年代前半は15%増配したりと好調でしたが、原油価格低迷以降は配当性向は上昇し、増配率は低下しています。

37年連続で増配中。毎年2Qに増配しますが、2020年は据え置きでした(ただし、年間で見ればこのままの配当でも合計が2019年を上回るので、増配記録は途切れない。減配さえしなければ)。

コメント
XOMに投資する多くの人にとって現在の最大の関心事は、配当が維持されるかどうかではないでしょうか。2020年のQ2決算ではEPSがマイナス0.7ドルになりました。現在は借金をして配当を払っている状態です。長くは持ちません。

XOMのPERを見る際は注意が必要です。原油価格が下落し、それに伴いXOMの株価も下落した場合、PERが下がり一時的には割安に見えますが、その後業績が悪くなるのでPERは修正されます。上昇局面はその逆です。

私の約10年間の投資人生において、一人負けしているのがエネルギーセクター(XOM・BP)です。どちらもほぼ半値になってしまいまいた。ただ石油の需要はすぐになくなるわけではありません。エクソンとIEA(国際エネルギー機関)によれば、石油は少なくとも2040年までは主要エネルギーであり続けると予測されています。短期的にも、コロナ禍が収束すればある程度反発すると予想しているので、このまま保有を続けるつもりです。