今回はコカ・コーラ(NYSE: KO)を分析します。

概要
世界中で親しまれているコーラですが、近年は健康志向の高まりから、炭酸飲料離れが進んでいます。それが株価に現れ始めたのが2015年頃で、以来KOの株価は伸び悩みました。全世界で事業を展開するコカ・コーラにとってはドル高になったこともマイナスに作用しました。2019年には上昇の兆しが見られましたが、コロナ禍によって再び苦境に立たされています。

コカ・コーラはその製法を秘密にするため特許を取っておらず、一部の幹部しかレシピを知らないそうです。「コカ」とはコカインの葉ことで、1903年以前のコカ・コーラには本当にコカインの葉が入っていました。


売上/利益
KO_revenue
2011年に売上高が大きく伸びているのは、ボトラーの買収によるものです。
2015年以降は新たにCEOに就任したジェームズ・クインシー氏のもとで改革が進められ、利益率を改善させてきました。

自社株買い
KO_shares outstanding
2015年比で10%近く減少。着実に買い戻しています。

EPS
KO_eps
利益率の改善と地道な自社株買いの努力を重ねた結果、2019年に$2を突破。復活の兆しが見られました。2017年のEPSが落ち込んでいるのは税制改革の影響です。

配当
KO_dividend
配当はきれいな右肩上がりですが、配当性向がじりじりと高まっているのが気になります。


コメント
利益率が改善している点、自社株買いにより確実にEPSを高めている点に期待が持てる一方、健康志向の高まりに伴う顧客の嗜好変化にどう適応していくかが課題です。

ちなみにコカ・コーラの株価はここ10年はペプシコの後塵を拝しています。10年間のリターンはKO(赤色)が73%なのに対して、PEP(青色)は100%です(配当はKOの方が高い傾向が続いているのでトータルリターンはもう少し差が縮まるかもしれません)。
KO vs PEP
by TradingView