今回はプロクター&ギャンブル(NYSE: PG)を分析します。
※FY2020決算を反映しました。

概要
PGは、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)と双璧をなす生活必需品銘柄の代表格ですね。創業は1837年にまでさかのぼります。64年連続増配の配当王であるとともに、130年間毎年配当を払い続けてきました。世紀を越えて人々に必要とされ続けてきた実績は、投資家にとって大きな安心材料です。

PGは以下の5セグメント、10カテゴリーで事業を展開しています。
PG_segment


売上/利益
PG_revenue
2012年頃に売上高のピークを付け、その後減少しているのは他の生活必需品銘柄と同様のトレンドで、ドル高による影響が大きいです。2019年に純利益が減少しているのは、ジレット関連事業で減損処理を行い、一時費用を計上したためです。営業利益は20%前後を推移。

自社株買い
PG_shares outstanding
2011年比で1割ちょっと減少しました。毎年数%ずつ買い戻してきました。FY2020はちょっと株式数が増加しました。

EPS
PG_eps
FY2020は売上高の増加と営業利益率の改善という両輪がうまく組み合わさって、EPSが伸びました。コアEPSは5.12ドルを達成しました。2019年は前述の通り一時費用を計上したためEPSが小さくなっていますが、一時費用の影響を除いたコアEPSは4.52ドルであり、業績が不安定なわけではありません。

業績が上向く一方、PERは2010年代を通してじわじわと上昇してきました。


配当
PG_dividend
ここ数年は増配率が落ちていましたが、2020年4月には6%の増配が発表されました。


コメント
リーマンショックでも、コロナショックでも業績はビクともしていません。シーゲル教授の「永続する企業が利益をもたらす」を体現したような存在。フェイスブックが10年後に代替サービスにとってかわられる未来は想像できても、PGが必要とされなくなる未来は(私には)想像しがたいです。

FY2020の年次報告書をまとめました↓