今回はビザ(NYSE: V)を分析します。
後述しますが超高収益企業です。
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概要
ビザは電子決済サービスを提供する企業です。クレジットカードブランドは世界的にはビザとマスターカードの二強です。アメリカンエクスプレスなどもありますが、それらは高級路線で、ビザ/マスターカードとはある程度住み分けられています。競合は強いて言えばペイパルだと言われていますが、直接的な脅威になっているようには見えません。

1958年にバンク・オブ・アメリカが始めたクレジットカード事業が起源です。上場は意外に遅く2008年です。本社はカリフォルニア州にあります。世界的な大企業ですが、従業員は約20,000と意外に少ないです。

それでは業績を見ていきましょう。

売上/利益
V_revenue

私はこのチャートを見るたびに目を疑います。営業利益率はなんと60%を超えています。売上高の6割以上が利益になるというのは驚異的としか言いようがありません。マイクロソフトの営業利益率は35%ほど、コカ・コーラのそれは25%です。ビザの利益率がいかに突出しているか分かります。グラフで見ると明らかですが、営業利益/純利益が青いバー(売上高)の半分ぐらいあります。

さらに、売上高はここ10年きれいな右肩上がりを続けています。上昇ペースも速いです。2009年~2019年の10年間で売上高は約3倍になりました。

EPS
V_eps
EPSは売上高以上に伸びており、2009年の$0.51から2019年の$4.78とおよそ9.4倍(!)になりました。配当性向は20%ほどで低いです。毎年20%近く増配しているのですが、成長率がそれに負けないほどに高いので配当性向が低いままになっています。

株価とPER
V_Price
2010年時点で$20未満だった株価は、2020年現在およそ$200です。10年で10倍になりました。PERは少しずつ上がっています。2020年10月現在で38倍。優良企業と言えども手が出しづらい水準です。

配当
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※2008年中に上場したので2009年の増配率は異常値になっています

毎年20%前後を増配してきました。配当は10年間でおよそ10倍にもなりました。一方、現在(2020/10)の配当利回りは0.6%と高くありません。高PER、低配当性向ですから仕方がありません。

自社株買い
V_shares
※FY2011より前のデータが見つかりませんでした

年2~4%の自社株買いを実施しています。これだけでも毎年のEPSを2~4%成長させることができます。

コメント
ITセクターが成長すれば、ビザの業績が伸びる。そんな構造的な強みがあります。人々はアマゾンで買い物するためにクレジットカードを使い、マイクロソフトやアドビシステムズのサブスクリプションを購入するためにクレジットカードを使います。また今後は、途上国の経済発展に伴い、それらの国々でクレジットカードを手にする人が増えるでしょう。まだだま成長は続くと思います。

ビザのおもしろいところは、目立っていない点です。世の中の(投資をしていない)人たちに、世界を代表するIT企業を挙げてもらったら、FANGやマイクロソフトと答えるでしょう。そこにビザの名前はきっと含まれていません。しかし、ビザはこれらの企業を圧倒する利益率を誇り、またこれらの企業に勝るとも劣らないパフォーマンスを残してきました。

昨今はフェイスブックやグーグルの市場独占が米国で問題になっています。しかしビザは(私が知る限り)特にやり玉に上がっていないように見受けられます。マスターカードという競合が1社だけ存在し、2社で上手くパイを分け合っています。この辺も非常に上手くやっていると思います。

PERは40倍近くあり高いですね。ただ、株価が変わらないとして、EPSが毎年20%成長すれば、PERは1年後に33倍、2年後に28倍になります。
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ビザが今後も成長を続けるなら、PER40倍で投資したとしても、投資は報われると思います。S&P500をアウトパフォームする可能性もかなりあると個人的に考えています。

こんな素晴らしい企業の一部を保有できる、それが株式投資の醍醐味ですね。