パレートの法則(パレートのほうそく)は、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した冪乗則。経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているとした。80:20の法則、ばらつきの法則とも呼ばれる。ウィキペディアに書いてある、パレートの法則の説明です。知っている方も多いと思いますが、以下のような例があります。
・商品の売上の8割は、全商品銘柄のうちの2割で生み出している。
・故障の8割は、全部品のうち2割に原因がある。
・プログラムの処理にかかる時間の80%はコード全体の20%の部分が占める。
中々魅力的な法則ですね。日常生活で見ても適用できる部分が多そうです。
株式投資の世界におけるパレートの法則
今日はTails, You Winという記事から、株式投資の世界おいてパレートの法則の通りになっているケースを紹介します。8対2という明確な数値が出ているわけではありませんが、一部の株式が全体の結果を左右していることを示す例が数多くあります。
1. S&P 500は2017年に22%上昇したが、そのリターンの1/4はたった5つの企業 – Amazon, Apple, Facebook, Boeing, Microsoftがもたらした。
2. S&P 500は過去5年間で108%成長したが、そのリターンの半分は22企業がもたらした。
3. ラッセル3000のリターンのほとんどは全体の7%の構成銘柄がたたき出した
4. バフェットはかつて次のように語ったことがある。これまで彼は400から500ほどの株を保有したが、利益のほとんどはそのうち10銘柄がもたらしたものだ、と。また、チャーリー・マンガーによれば「バークシャーの投資のうち、ほんのわずかな上澄み部分を除くと、リターンは月並みになる」とのこと。
5. ベンジャミン・グレアムのパートナーシップにおいても、たった一つの投資判断が大きな利益をもたらした。※GEICOへの投資と思われる
殆どの個別株投資家がインデックスに勝てない理由
一部の銘柄が全体のリターンを大きく左右しているのなら、数百を超える候補の中からそうした銘柄を選べなれば大きな成果を上げることはできません。現実には、大半の人はそうした銘柄を保有しておらず大してリターンをあげられていないのに対し、一部の人は(偶然あるいは実力によって)そうした銘柄を保有しており、大きなリターンをあげることに成功しているのでしょう。結果、少数の大勝ちした投資家と、大したリターンを上げられないその他大勢の投資家が生まれます。その時、S&P500などのインデックスはというと、そうした一部の「鍵となる」銘柄を必ず保有しているわけで、そこそこのリターンを残せます。つまり個別株投資家のリターンは下図のような形になっているのではないでしょうか。
年収の議論をするときに、平均ではなく中央値を見よと良く言われますね。一部の成功者が平均を引き上げているからです。これも、それと似たような構図になっています。一部の成功企業がS&P500という平均を引き上げます。
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S&P500上位10社を見ても、次の10年間でS&P500をアウトパフォームするのは2~3社です。インデックスに勝つのは容易ではありません。
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インデックス投資は一つの最適解ですが、それでもタイミングの影響を受けます。
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