※2020年Annual Reportの内容を反映
スターバックス(NASDAQ: SBUX)の銘柄分析です。
勉強や仕事のためにスタバに頻繁に行く人は少なくありません。かくいう私もその一人です。家の近くに他の喫茶店もあることはあるのですが、なぜかスタバを選んでしまいます。スタバの居心地の良さはやはり特別だと思います。
概要
1971年にシアトルで開業。
・世界の83のマーケットで33,000店舗を展開しています。
・利益の67%は南北アメリカ大陸セグメント(アメリカ、カナダ、ラテンアメリカ)で稼いでいます。
・1992年の上場から2020年までの成長率は年22.0%。
店舗数
①直営店舗、②ライセンス店舗の2形態あり、割合は概ね半々です。どちらの形態が多いかは国によって異なります。
【直営店舗】
米、中、日、加がほとんどです。2020年決算時の店舗数を多い順に並べると以下のようになります(括弧は前年比)
1. 米国:8941店舗(+150)
2. 中国:4123店舗(+581)
3. 日本:1464店舗(+85)
4. カナダ:1159店舗(-16店舗)
合計:16,637店舗(+803)←前年比+5%
直営店による売上は全売上高のおよそ8割を占めています。
【ライセンス店舗】
こちらは米国の店舗数だけ突出していますが、それを除けばメキシコや韓国など多様な国で構成されています。トップ3のみ記載します。
1. 米国:6387店舗(+137)
2. 韓国:1468店舗(+134)
3. メキシコ:752店舗(+4)
合計:16023店舗(+601)←前年比+5%
ライセンス店による売上は全売上高のおよそ1割に過ぎませんが、直営店よりも営業利益率が高いです。スタバは現在店舗数を増やしていますが、今後市場が飽和した場合にもライセンス店舗に切り替えることで利益の伸ばすという戦略オプションがあります。これはマクドナルドがここ数年進めてきた戦略です。
業績
トップラインが安定して伸びているのがSBUXの魅力です。ただし、2020年はパンデミックの影響で減収となりました。
ガイダンスによれば、FY2021年の予想EPSは$2.42-2.62です。スターバックスの会計年度は9月決算なので、FY2021年は2020年10月~2021年9月となります。コロナ禍の影響がまだまだあります。
現在の株価105ドルで計算すると、予想PERは40倍を超えており、明らかに割高です。もちろん、パンデミックが収束すれば利益が増加しPERは低下するでしょう。
株価はここ10年で10倍以上になりました。
PERは平均すると20台後半です。
2010年から配当を支払い始めました。20%台の増配を続けてきましたが、2020年は減速しました。それでも15.9%と高い増配率を誇ります。
2021年2月時点の配当利回りは約1.6%。
ここ数年間の減少率が素晴らしいです。
スターバックスの魅力とリスク
盛衰激しい飲食業界で生き残ることは簡単ではありませんが、スターバックスはこれまでのところ唯一無二の地位を獲得できていると思います。私がよく知っているのはもちろん日本のスタバで、私を含め多くの人にとって、生活に欠かせないと言っても過言ではありません。米国のスタバの立ち位置も少し分かります。米国には旅行と短期留学で滞在したことがありますが、日本と同じように、スタバの店舗はあちこちで見かけ、店舗によって学生が勉強に使っていたり、旅行者がちょっと入ったりといった感じでした。
スターバックスの牙城は簡単には崩せないと思います。サードプレイスと言えばスタバという流れは、少なくとも2020年代は安泰でしょう。
リスクとしては店舗数の飽和が挙げられます。現在スタバは拡大戦略をとっており、店舗数が増え続けています。PERはこの拡大による成長を期待して高めの値(30倍手前)がついていますが、店舗数が飽和してこの拡大戦略が鈍化/ストップすれば、代替戦略を見つけない限り現在の高PERは正当化されなくなります。
SBUXに投資する際には、新店舗出店の余地がどれほど残されているのかは大切なポイントの一つになってくると思います。下のグラフは全世界の店舗数です。成長鈍化のサインは今のところ見られませんが、毎年しっかりチェックする必要があります。
各国の状況はデータを見たりネットで調査したりするしかないですが、日本におけるスタバは顧客目線で考えるとかなり飽和に近づいているような気がします。繁華街を歩いていると数百メートル間隔でスタバがあったりします。そんなに必要ないのでは?と思うこともあります。地方などではまだ新規出店の余地はあるのかもしれませんが、かといって大きなフロンティアがあるわけでもないでしょう。
スターバックス(NASDAQ: SBUX)の銘柄分析です。
勉強や仕事のためにスタバに頻繁に行く人は少なくありません。かくいう私もその一人です。家の近くに他の喫茶店もあることはあるのですが、なぜかスタバを選んでしまいます。スタバの居心地の良さはやはり特別だと思います。
概要
1971年にシアトルで開業。
・世界の83のマーケットで33,000店舗を展開しています。
・利益の67%は南北アメリカ大陸セグメント(アメリカ、カナダ、ラテンアメリカ)で稼いでいます。
・1992年の上場から2020年までの成長率は年22.0%。
店舗数
①直営店舗、②ライセンス店舗の2形態あり、割合は概ね半々です。どちらの形態が多いかは国によって異なります。
【直営店舗】
米、中、日、加がほとんどです。2020年決算時の店舗数を多い順に並べると以下のようになります(括弧は前年比)
1. 米国:8941店舗(+150)
2. 中国:4123店舗(+581)
3. 日本:1464店舗(+85)
4. カナダ:1159店舗(-16店舗)
合計:16,637店舗(+803)←前年比+5%
直営店による売上は全売上高のおよそ8割を占めています。
【ライセンス店舗】
こちらは米国の店舗数だけ突出していますが、それを除けばメキシコや韓国など多様な国で構成されています。トップ3のみ記載します。
1. 米国:6387店舗(+137)
2. 韓国:1468店舗(+134)
3. メキシコ:752店舗(+4)
合計:16023店舗(+601)←前年比+5%
ライセンス店による売上は全売上高のおよそ1割に過ぎませんが、直営店よりも営業利益率が高いです。スタバは現在店舗数を増やしていますが、今後市場が飽和した場合にもライセンス店舗に切り替えることで利益の伸ばすという戦略オプションがあります。これはマクドナルドがここ数年進めてきた戦略です。
業績
トップラインが安定して伸びているのがSBUXの魅力です。ただし、2020年はパンデミックの影響で減収となりました。
ガイダンスによれば、FY2021年の予想EPSは$2.42-2.62です。スターバックスの会計年度は9月決算なので、FY2021年は2020年10月~2021年9月となります。コロナ禍の影響がまだまだあります。
現在の株価105ドルで計算すると、予想PERは40倍を超えており、明らかに割高です。もちろん、パンデミックが収束すれば利益が増加しPERは低下するでしょう。
株価はここ10年で10倍以上になりました。
PERは平均すると20台後半です。
2010年から配当を支払い始めました。20%台の増配を続けてきましたが、2020年は減速しました。それでも15.9%と高い増配率を誇ります。
2021年2月時点の配当利回りは約1.6%。
ここ数年間の減少率が素晴らしいです。
スターバックスの魅力とリスク
盛衰激しい飲食業界で生き残ることは簡単ではありませんが、スターバックスはこれまでのところ唯一無二の地位を獲得できていると思います。私がよく知っているのはもちろん日本のスタバで、私を含め多くの人にとって、生活に欠かせないと言っても過言ではありません。米国のスタバの立ち位置も少し分かります。米国には旅行と短期留学で滞在したことがありますが、日本と同じように、スタバの店舗はあちこちで見かけ、店舗によって学生が勉強に使っていたり、旅行者がちょっと入ったりといった感じでした。
スターバックスの牙城は簡単には崩せないと思います。サードプレイスと言えばスタバという流れは、少なくとも2020年代は安泰でしょう。
リスクとしては店舗数の飽和が挙げられます。現在スタバは拡大戦略をとっており、店舗数が増え続けています。PERはこの拡大による成長を期待して高めの値(30倍手前)がついていますが、店舗数が飽和してこの拡大戦略が鈍化/ストップすれば、代替戦略を見つけない限り現在の高PERは正当化されなくなります。
SBUXに投資する際には、新店舗出店の余地がどれほど残されているのかは大切なポイントの一つになってくると思います。下のグラフは全世界の店舗数です。成長鈍化のサインは今のところ見られませんが、毎年しっかりチェックする必要があります。
現時点では減速の兆候は見られない(出典:モトリーフール)
各国の状況はデータを見たりネットで調査したりするしかないですが、日本におけるスタバは顧客目線で考えるとかなり飽和に近づいているような気がします。繁華街を歩いていると数百メートル間隔でスタバがあったりします。そんなに必要ないのでは?と思うこともあります。地方などではまだ新規出店の余地はあるのかもしれませんが、かといって大きなフロンティアがあるわけでもないでしょう。






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