Seeking AlphaにS&P500の四半期ごとのパフォーマンス上位/下位50銘柄をまとめてくれている、Ploutosさんという人がいます。先日、2021年の1月~3月期についての記事が投稿されたので紹介します。

なお、同期間のS&P500のリターンは6.17%でした。

まずは上位50銘柄から。
SP500_best_2020Q1
やはりエネルギーセクターが多いですね。航空会社も多いです。そして去年躍進したITセクターは少ないです。上位50銘柄のリターン平均は39.5%。3か月でこれだけのリターンが出せれば万々歳ですね。


続いて下位50銘柄。
SP500_worst_2020Q1

トップはヴィアトリス(VTRS)で-25.5%。実は、保有しています。ファイザーの分社化の際に1万円ほどのVTRS株を割り当てられました。売るのが面倒でそのままにしていたのですが、決算の内容が悪かったのか、売り込まれてしまいました。まあ、少額なので影響はほとんどありませんが…。

下位銘柄のセクターはITとヘルスケアが多いです。ITが多いのは予想通りですね。グロース株が多いので金利上昇に伴って売られました。ヘルスケアが多いのは意外でした。ただ、大手製薬企業はこのリストにいません。詳しい調査はしていませんが、このリストに載っているヘルスケア企業は新技術の開発に取り組む新興企業で、グロース株と目されているのでしょう。

アップルやテスラ、アマゾンなど大企業も下位50銘柄に入っていますね。2020年のトップパフォーマーたちですが、2021年は去年の反動かこれまでのところ苦戦中。もっとも下位50銘柄のパフォーマンスは平均で-8.8%です。上位50銘柄のリターンが40%近いことを考えれば、ほとんどの投資家のポートフォリオがプラスとなった四半期だったのではないでしょうか(集中投資をしている場合を除く)。

上位銘柄と下位銘柄でPERの差がはっきりでていますね。上位は低PER、下位は高PERの銘柄が多いです。

記事によれば、中央値(250位の株)のリターンは9%超とのこと。それにもかかわらずS&P500のリターンが6.17%なのは、アップルやアマゾンといった時価総額の大きい企業が全体の足を引っ張ったからです。

さて、次の2021年4月~6月期ですが、この流れが継続すると予想します。今のところ流れが変わる兆候はありません。米政府の財政出動、感染者数の減少、金利の上昇などが引き続き低PER株に味方すると思われます。金利が上昇して高PER銘柄が売られるなら市場が冷静さを保っているということですが、そうではなく金利が上昇しているのにもかかわらず全ての銘柄の株価が上がり続けるなら、市場が熱狂しバブルに向かって行く恐れがあります。そのあたりはチェックして行きたいと思っています。他に気になることがあるとすれば、アルケゴス関連の損失でしょうか。クレディスイスなどが大きな損失を出すと報道されています。連鎖→金融危機にはなってほしくありませんが……杞憂に終わることを祈ります。