投資家が強気でいるのか、弱気でいるのかを示す指数はいろいろありますが、本記事では代表的なものを取り上げて紹介します。[オプション取引から算出される指標]、[企業が独自に算出する指標]、[調査に基づく指標]の3つに分類しました。

[オプション取引から算出される指標]

1. VIX指数(恐怖指数)
まずはVIX指数です。正式名はシカゴ・オプション取引所(Cboe)ボラティリティ指数。Bloomberg Liveなどニュースメディアでも良く取り上げられています。S&P500オプション取引のインプライド・ボラティリティを元に算出され、近い将来の変動幅を示すとされています。相場が不安定化すると値が上昇するため、恐怖指数と呼ばれています。
Google_vix


Googleで「vix」と検索すると簡単に出てきます。コロナショック時に跳ね上がっているのが分かりますね。リーマンショックではさらに高い80近くまで爆発的に上昇しました。


2. Chicago Board Options Exchange (CBOE) Put-Call Ratio
プット・コール・レシオはオプション取引におけるプット・オプションとコール・オプションの比率であり、株価の下落に賭けている人が多いか、上昇に賭けている人が多いかで比率が変わってきます。

比率が高い:悲観的
比率が低い:楽観的

となります。

市場毎に異なるプット・コール・レシオがありますが、米国相場に関して言えばシカゴ・オプション取引所(CBOE)のものがよく参照されているようです。

CBOE Total Put/Call Ratio | MacroMicro


[企業が独自に算出する指標]
これらの指標はニュースメディアよりも個人投資家が良く取り上げている印象があります。

3. The Fear & Greed Index

CNNが算出している指標です。その名が示すように、投資家の感情が恐怖(Fear)側に傾いているのか、強欲(Greed)側に傾いているのかを数値で示したものです。複数のパラメーターを基に算出し、VIX指数もその一つとして含まれています。
Feer & Greed Index 20020729


7月末現在39ポイントで"FEAR"に位置しています。中央が50なので、ある程度恐怖側に傾いているくらいですね。

なお、この指標の変動幅はかなり大きく、0付近から100付近までジェットコースターのように動きます。


似たような指標に、4. バンクオブアメリカの"BofA Bull/Bear indicator"、5. シティグループの"The Citi Panic/Euphoria Model"がありますが、どちらも一時ソースを発見できなかったので紹介だけに留めておきます。

[調査に基づく指標]

6. AAII Investor Sentiment Survey

American Association of Individual Investors (AAII:アメリカ個人投資家協会) が毎週集計しているアンケートです。個人投資家に対して、今後6か月のマーケットの見通しを回答してもらい集計しています。

AAII sentiment 20220729


7月末現在のデータを見ると、やや悲観寄りですがほぼニュートラルといったところ。強気の意見もそれなりにあることが分かります。


7. US Advisors’ Sentiment Report
100を超える投資ニュースレターを分析し、アドバイザーのセンチメント(強気か弱気か)を判定し集計したものです。

Investors Intelligence Advisors Sentiment: Daily Hotline Report


8. Barron’s Big Money Poll
経済誌であるバロンズが主催。年に2回、専門家による景況感の投票を集計しています。

Big Money Poll | Barron's (barrons.com)