イギリスの石油会社BPを280株(約80万円)保有していますが、その全株売却を検討しています。

BP購入時の狙い
BPを購入したのは10年近く前の話で、購入価格は以下の通りです。投資額は96万円でした。
BP-purchase-record

BPは2010年のメキシコ湾原油流出事故で無配転落し、株価が暴落しました。その後、配当支払いを再開したものの、まだ株価が事故前の水準に戻っておらず、割安に見えたので購入しました。

BP-chart

上はBPの10年チャートです。2010年頃に暴落しているのが原油流出事故によるものです。

私がBPを購入した2012年や2013年当時、原油価格は1バレル100ドルを超えていました。当時はエクソンモービルやシェブロンが10%以上の増配を実施していました。今では考えられないことですね。

そのような時代だったので、私はBPの将来に楽観的でした。高騰する原油価格によってキャッシュフローは安定し、株価は上昇に転じるだろうと。

シェール革命
当時の私が読めなかったことは、シェール革命です。これによって原油価格が大きく値下がりました。上のチャートでいうと、2014年以降BPの株価が下落しています。シェール革命が起き、それに対抗するためサウジアラビアが石油生産の増産を発表し、原油価格が大幅に下落しました。原油流出事故を起こしたBPはともかく、XOMやCVXなど他のオイルメジャーは2010年代初めに好調なパフォーマンスを残していましたが、ここから低迷し始めます。

Oil-longchart

NY原油ロングチャート(楽天証券より)

このタイミングで売却するのも一案でした。シェール革命によって市場が変化したのだから原油価格はもう元には戻らないだろうと。ただ人間というのは不思議なもので、自分の都合の良いようにバイアスをかけてしまうものです。私の場合で言えば、原油価格のリバウンドに期待していました。それがありそうにないということは、今なら簡単に言えますが、当時の私は動けませんでしたね。産油国は無駄で続かないと思える価格競争を仕掛けていましたし、シェールガス採掘に伴う環境破壊などのニュースも報道されていました。こうした報道を見て、いずれ市場は元通りになるだろうと判断してしまいました。自分に都合の良いニュースだけを切り取る、言わば確証バイアスの典型例とも言えます。

コロナ禍による追い打ち
判断の良し悪しはともかく、原油価格は2016年頃に一旦底を打って、上昇基調にありました。石油会社も収益体質を改善し、ゆっくりではありますが業績が向上しつつありました。そのタイミングでコロナ禍が発生。その後の原油価格の落ち込みようは皆さんご存じの通りだとは思いますが、2020年はオイルメジャーや産油国にとっては厳しい1年となりました。

シェール革命ならともかく、コロナ禍は予測しようがありません。そういうわけで、私はBPを利益が出ないまま10年近く保有しています。

投資額は96万円。現在の保有額が80万円なので、仮に今売却すると16万円の損失です。購入時はかなり円高だったので円建てでは損失が小さく出ていますが、ドル建てではもっと損をしています。BPは高配当なので、恐らくトータルリターンはプラスになっていますが、他の株式を買っておけばはるかに大きな利益を出せたであろうことを考えると、気持ち的には損失です(まさに割引率の考えですね)。


売却を決めた理由
・電気自動車時代の到来やバイデン政権のクリーンエネルギー政策など市況の根本的変化
・BP自体が再生エネルギー事業への転換を始めた

2つ目の点について、これは企業の生き残りという点では間違っていないのかもしれませんが、投資家としては判断が難しいところです。再生エネルギー事業は利益が出るのかどうか、まだ分かりません。BPやロイヤルダッチシェルなどの石油大手企業がグリーンエネルギー企業にスライドするのか、新興企業がシェアを握るのか。そういう不確実性があるのであれば、これ以上BP株を保有するメリットはないと思いました。

売却時期
コロナショックによる株価下落分がまだ戻っていません。これをどう扱うかが難しいですね。今後世界の旅行需要が復活することで原油消費量が増え、業績が回復するのか。それとも現状の低迷が続いたまま、次の不況に突入してしまうのか。インフレも検討する必要があります。米国でインフレが懸念される状況が続いていますが、高インフレ率が続くならインフレに強い石油企業は保有を続けた方が良いように思います。

一応、もう少し様子を見ようとは思っています。ワクチンの接種は現在進行中です。米国のインフレも一過性のものか判断するにはもう少し時間が必要です。あくまで現時点でのアイディアとなりますが、今後1~2年以内にパンデミックが収束し、石油需要が回復、さらにインフレがFRBや米政権の予想通り一過性のもので来年から再来年には落ち着くのであれば、その頃が売り時かなと考えています。