企業は成長ステージにおいては利益をさらなる成長に振り向けますが、成熟すると配当などで投資家に利益を還元するようになります。いわゆる還元ステージに入るわけですが、自分の人生もそういうステージに入ってきたのだろうかと思う事があります。
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 自分で言うのも何ですが、これまでの人生でそれなりに努力を続けてきたつもりです。学生時代は勉学、スポーツに打ち込み、社会人になってからは辛い労働環境に耐えつつ(仕事が合いませんでした)、生活費をできる限り抑え、車などコストがかかるものは避け、余ったお金は全て資産運用に回して来ました。もともとは理系で英語は全然話せませんでしたが、転職のため日本にいながら独学で身に付けました。そうした努力の甲斐あって、今は老後の年金を心配しなくて良い程度には資産も大きくなり、望んだ働き方もできています。

 しかし、今の私は、かつての自分ほどには頑張れなくなって来ました。なぜかというと、おそらく頑張る動機が見つからないのだと思います。新卒の頃は何が何でも会社を辞めたいと思っていましたし、会社を辞めた後は結婚のことを考えるとこのままではいけない、早く定職を見つけなければと常に思っていました。そのような現状を変なければという危機感が高いモチベーションの元になっていたのだと思います。では現在はどうかというと、もう経済的自由への準備は整っているし(株の運用を続けるだけ)、パートナーも見つかりました。ライフワークとして英語力の向上は続けて行きたいと思っていますが、正直に言って今の英語力があれば海外の大学院にも行けるし、仕事で困ることもありません。つまり、努力したところで大して効用が得られないのです。

 ならば、もっと人生を楽しむ方向にシフトしても良いのかもしれません。その方が人生の満足度が上がる気がします。例えば何かの勉強に時間を費やす代わりにレジャーに行くとか、収入を増やす方法を夜な夜な考えるのではなく、夏休みの予定を考えるとか。事業の成長がこれ以上見込めないため投資するのではなく配当に回す、という企業の還元ステージに似ているものがあります。自分の人生も還元を始めても良いのかもしれません。将来の自分のために自分に投資するのではなく、今の自分のために時間や金やエネルギーを使うということです。