私の主な投資対象は、PGやJNJのような配当利回りが3%前後で安定成長が期待できる大型株です。しかし、最近は金融緩和によってバリュエーションが上がっており、魅力的な配当利回りを持つ銘柄が減っています。例えば現在、PGは2.46%、JNJは2.45%です(どちらも10年前は3%台後半でした)。

ということで、今回はS&P500構成銘柄から新たな投資先を探してみます。
【スクリーニング条件】
・配当利回り3%以上
・生活必需品銘柄、またはそれに準じる安定性
・知っている企業(これは米国外から米国に投資する人とって欠かせない条件だと私は思います)
・まだあまり保有していない銘柄

情報は以下のサイトから取得。データが3月31日時点のものである点に注意。
Top dividend stocks of S&P 500 (dividendsranking.com)


スクリーニング結果

以下の銘柄をピックアップしました。

Company Dividend Sector

3M Company 3.07% General Industrials
General Mills 3.33% Food Producers
Merck & Co 3.37% Pharmaceuticals and Biotechnology
Kellogg 3.60% Food Producers


各銘柄について

1. 3M Company (MMM)
おなじみの配当王銘柄。S&P500時価総額75位。10年間増配率:10.62%。予想PER:21倍。

MMMの過去30年間のトータルリターンは10.56%で、S&P500の10.96%をやや下回りますが、ほぼ同等のパフォーマンスです。

鉄板の3Mですが、現在の配当利回りは約3%、予想PERも21倍と高くもなく低くもない感じです。連続増配株の多くを生活必需品銘柄が占める中、資本財メーカーである3Mはセクター分散にも役立つ貴重な銘柄といえます。


2. General Mills (GIS)
ハーゲンダッツが有名。S&P500時価総額219位。10年間増配率:5.95%。予想PER:15倍。

GISの過去30年間のトータルリターンは9.14%で、S&P500の10.96%を下回ります。

GISの魅力を一つあげるなら、株価が安定して上昇していることでしょうか。以下はGISの長期チャートです。成熟した企業らしく、地道に成長を続けてきています。
GIS long chart

ただ、増配についてはあまり期待できないかもしれません。GISの過去5年間の四半期配当は次のようになっています。
2016: $0.48
2017: $0.49
2018: $0.49
2019: $0.49
2020: $0.51

2017年から2019年までの3年間は配当据え置き。これは毎年増配を期待する投資家にとっては辛いものがあります。JNJやPGのように安心して放置することは難しいかもしれません。


3. Merck & Co (MRK)
大手製薬会社。S&P500時価総額44位。10年間増配率:5.48%。予想PER:12倍。詳細は以下の銘柄分析記事から。

MRKの過去30年間のトータルリターンは9.15%で、S&P500の10.96%を下回ります。



10年間増配率は5.48%とそこまで高くないですが、最近はガン治療薬キートルーダが業績をけん引しており、過去3年間の増配率は10.71%と好調です。PERも低く、数値だけを見ると今回ピックアップした銘柄の中では最も魅力的に見えます。

しかし、銘柄分析記事にあるように、配当据え置きの年が多く、経営陣の株主に対するコミットメントに不安を覚えます。過去の実績は必ずしも未来を予測するものではありませんが、この部分をどう見るかで投資するかどうか判断が分かれるところ。

4. Kellogg (K)
シリアルは日本でも有名。S&P500時価総額390位。10年間増配率:3.52%。予想PER:16倍。

GISの過去30年間のトータルリターンは7.00%で、S&P500の10.96%をかなり下回ります。

ちょっと増配率がもの足りない感じですね。当然、企業の業績には波があるわけですが、10年単位で均した際に安定して結果が出せる企業に投資したいところ。過去のトータルリターンもイマイチ。

暫定的な結論

私のポートフォリオにはAlphabetやFacebookのようなグロース株もあれば、AltriaやAbbvieのような高リスク高配当な銘柄もありますが、やはり中心はJNJ、MCD、KO、PGといった連続増配株です。これらの銘柄に期待することは、そこそこ高い配当利回りからの安定したインカムと、一度買ったら数年放置できるような安定性・信頼性であり、今回ピックアップした銘柄の中ではMMMがその期待に一番答えてくれそうです。

これまで何となく資本財セクターを避けてきましたが、どの株も割高になってきていること、主な生活必需品銘柄にはすでに投資してしまったことを考えると、そろそろ視野を広げてMMMも投資対象として検討しても良い気がしています。