バフェット指数は株式市場の時価総額をその国のGDPで割った数値であり、そのシンプルかつエレガントさから有名な指標の一つとなっています。

バフェット指数はさまざまなブログで紹介されていると思いますが、本記事ではさらに経済成長および金利を一緒に掲載し考察します。

1. バフェット指数
buffet indicator


このグラフを参照した理由は、"Historical Trendline"が描かれているからです。米国のバフェット指数は上昇傾向にあります。これをどう見るべきか。そのために次の項目を考えます。

2. 経済成長率と金利の関係
次のグラフは、米国の名目経済成長率と10年債金利の関係を表しています。
saupload_rates5
ソース:Seeking Alpha

名目経済成長率の方がブレ幅が大きいですが、この2つのトレンドが同じであることは、はっきりと見て取れます。

名目経済成長率=実質経済成長率+インフレ率です。米国の潜在成長率は減速傾向にあり、今後も継続することが予想されます。ということはFRBがインフレを制御できている限り、金利は低下します。1980年から現在に至るまでの米国債の金利低下は、これによって説明できると思われます(2022年現在はインフレ制御が難しくなっているので、金利が上昇しています)。

3. バフェット指数を見る際の注意点

バフェット指数=株式時価総額/GDP

ですから、分子である株式時価総額は金利の影響を大きく受けます。金利が下がるほど、分子が大きくなり、バフェット指数も大きくなります。これが最初に紹介した、バフェット指数の長期的な上昇傾向の要因となっています。

つまり、バフェット指数がITバブル期の水準を超えたからと言って、今がバブルとは簡単には判断できないということです。バフェット指数を見るにあたっては、金利低下という長期トレンドを踏まえた上で割安・割高を見ていく必要があります。