前に金利か何かを調べていた時に日本証券経済研究所が発行する証券レビューの記事に偶然出会いました。参考になる内容だったので本記事で紹介したいと思います。

世界は低金利の罠に陥ったか』証券レビュー2019年12年

記事はリンク先から読むことができます。FRBがインフレ目標を2%到達ではなく「シンメトリック2%(平均2%)」にしていること、ECBはインフレ率2%がほぼ絶望的なことなどが書かれていて、読み応えがありました。個人的に特におもしろかったのが次のくだり:
経済学というのは基本的にアメリカの学問であり、その理屈に合わないことがアメリカで起きないと、新しい哲学に塗り替わって行かないのです。
欧州や日本がインフレ率を上げられずに苦労しているのに対し、アメリカは(比較的)インフレ期待が高い。そしてアメリカが上手く行っている限り、金融政策の理論が見直されることはない。したがって当面は今の金融政策が続けられるだろう、とのこと。

---以下は私自身の所感----
FRBの金融緩和によって金利が低下し、それに伴い株式のバリュエーションが歴史的な高水準になっていますが、上で述べられているようにアメリカがこのやり方で成功している間は金融政策を転換しないとすれば、今後もリセッションの度に大規模緩和→株高という、言ってしまえば資本家に都合が良い状況が続くことになりそうです。

今後インフレ率が目標に達して緩和が縮小されれば、多少はバリュエーションの見直しがあるかもしれませんが、現在の低金利・低インフレの環境がそう簡単に変わるとも思えませんし、抜本的な変化は起きないのではないでしょうか。

現在の株高を見ると何となく不安な気持ちにさせられますが、それでも配当再投資だけでも、あるいは少額ずつでも株式への資本投下は続けていった方が良いのかもしれません。