日々の値動きを観察していると、大抵の日は、ポートフォリオに上がっている銘柄と下がっている銘柄があり、総じてみれば市場平均に近い動きをするものですが、昨日(8月13日金曜日)は保有銘柄が妙に好調な日でした。

S&P500は+0.16%、DOWは+0.04%、Nasdaqも+0.04%とほぼ変動がない一日でしたが、ポートフォリオの上位5銘柄を見るとMOが+1.00%、MCDが+0.91%、JNJが+0.60%、KOが+0.69%、PMが+1.58%とすべて上昇しています。

ここまで偏った値動きがすることは珍しいので気になりました。市場全体が値上がりし、S&P500などのインデックスも個別銘柄も一斉に上昇することはありますが、インデックスが変動していないのに、保有銘柄だけが総じて上昇することは少ないです。何が起きているのでしょうか。

セクター別パフォーマンス

どこかのセクターが不調な一方、生活必需品銘柄が好調だったのかもしれません。これを確かめる手っ取り早い方法は、ヒートマップを見ることです。
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これは昨日のヒートマップです。確かにセクターによって差があるように見えます。銀行とエネルギーが赤いですね。この2セクターが足を引っ張ったようです。あとはアップルやアマゾン、テスラにあまり値動きが無かったことも一因でしょうか。

市場の転換と見るべきか

昨年秋頃から、今後はバリュー株が優勢になるだろうという見方を聞くようになってきました。確かにアマゾンやテスラは今年に入って調子を落としています(アルファベットなどは順調ですが…)。

また、バリュー/グロースの優位性は過去を見る限り潮の満ち引きのようであり、こうした歴史的な事実もあってそろそろバリュー株の巻き返しが始まるのではないかと考える人もいます。
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上のチャートを見ても、確かにグロース優位の期間はもう十分に長くなっており、そろそろ転換期が来るような感じにも見えます。

昨日のようにバリュー株が揃ってアウトパフォームした事実、アマゾンなどのグロース株が苦戦しているという事実はトレンドの転換を示しているのでしょうか。

トレンド転換が起きる要因

そもそも、なにがきっかけで潮流が変わるのでしょうか。いろいろ考えてみましたが、正直ケースバイケースであるような気がします。

例えば2000年頃のITバブルを境にグロース/バリューの優位性が逆転していますが、この時期の金利は一貫して低下トレンドにあり、またリーマンショックのような経済危機があったわけでもありません。シンプルに、IT技術を過大評価したバブルによりグロースが買われたと考えるよりほかありません。

しかし、2009年ごろのトレンド逆転は明らかにリーマンショックの時期と重なります。経済危機→金融緩和による金利の低下→割引率の低下→グロース株のバリュエーション上昇という理論付けも可能です。また2010年代のグロース株優位はスマホをはじめとするIT技術が人々の生活に浸透していったということも要因の一つに考えられます。

いずれにせよ、理由もなくトレンドが大きく変わるのは不自然な感じがします。ということで、引っ張っておいて何ですが、個人的な意見としてはまだトレンドの逆転は来ていないように思います。つまり、今後もグロース株が市場をけん引するというのが私の予想です。最近バリュー株が好調なのは、昨年のコロナショックからの回復が出遅れていたこと、バリュー株が成長を先取りして上昇余地が少なくなっていることなどが理由ではないかと考えています。

(続きます